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換気システム

【第1種換気は3種類ある!?】換気システム「澄家(sumika)」の仕組みと他方式との違いをわかりやすく解説

こんにちは。山中木材・新築部門の藤井です。
私は以前、大手ハウスメーカーで10年間営業を担当していました。数多くの家づくりを通じて感じたのは、「住まいに関する基本的な知識があるかどうかで、完成後の満足度が大きく変わる」ということです。

なかでも見落とされがちなのが「換気」。
空気の出入りなんて自然にできていると思いがちですが、実はとても奥が深く、家の快適さや健康に大きく関わる重要な要素です。
特に最近は、高気密・高断熱の住宅が増えているため、計画的な換気が必要不可欠になってきています。
適切に換気ができないと、空気がこもってカビや結露が発生したり、においが抜けにくくなったりといった問題につながることも。

今回は、そんな換気の中でも「第1種換気」と呼ばれる仕組みに注目して、その中の3つの主な方式と、山中木材でも標準採用しているマーベックス社の「澄家(sumika)」について、わかりやすく解説していきます。

はじめに|換気システム選びに失敗するとどうなるの?

換気システムの選定を甘く見てしまうと、以下のようなトラブルにつながる可能性があります。
特に家の気密性能と換気システムの相性が悪いと、思っていたほど効果を実感できないことも。
設備の性能だけに頼らず、住まい全体の計画とバランスが大切です。

<主なリスク>

  • 部屋ごとに温度差が大きく、「冬は足元が寒い」「夏はムワッと暑い」と感じる
  • 換気の流れが偏ってしまい、トイレやクローゼットなどの臭いがこもる
  • 湿気が逃げず、窓の結露や壁内のカビ、構造材の腐朽につながる
  • 冷暖房効率が悪くなり、光熱費がかさむ

[元・大手HMの営業マン]藤井からのアドバイス①

「換気なんてどれも同じ」と考えていると、住んでからのストレスにつながることも。
住まいの快適さを左右する大事な要素として、ぜひ注目してください。

第1種換気とは?基本をおさらい

換気方式には以下のような種類があります。

  • 第1種換気:給気・排気の両方を機械で制御する
  • 第2種換気:給気は機械、排気は自然に任せる
  • 第3種換気:排気は機械、給気は自然に任せる(一般的な住宅で多い)

なかでも第1種換気は、空気の出入りを計画的に行えるため、温度や湿度の管理がしやすく、快適さや省エネ性能に優れています。

 

実は3種類ある!?第1種換気の方式

床下ダクト給気式(澄家方式)<出典:株式会社マーベックス>

「第1種換気」と一口に言っても、実際には以下のように分かれます。

 ①天井ダクト式

天井裏にダクトを張り巡らせて各部屋に空気を送るタイプ。
<主な特徴>
– ハウスメーカーや工務店でも広く使われている
– 設計の自由度が高い
– ダクトの長さや断熱処理の状況によって、効率に差が出ることも

②壁付けダクトレス式

各部屋の壁に独立した換気ユニットを設ける方式。
<主な特徴>
– リフォームなどでも導入しやすい
– ダクトが不要で工事が簡単
– 熱交換効率はやや低め

③ 床下ダクト給気式(澄家方式)

床下に設けたユニットから、ダクトを通じて新鮮な空気を各部屋に供給する方式で、澄家はこの“床下ダクト式”を採用しています。
<主な特徴>
– 足元から給気されるため、空気の温度ムラが少ない
– 見た目がすっきり(天井に吹き出し口がない)
– メンテナンス性が高い(フィルター交換がしやすい)

 

澄家(sumika)の主な特徴

山中木材が澄家を採用している理由のひとつは、「快適さとメンテナンス性を両立できるから」です。
足元からやさしく空気が広がる床下給気方式は、室温のムラを抑え、体感温度も安定。
住む人にとっての「毎日の快適さ」を大切にしたいという想いから、澄家を標準仕様に採用しています。

また、フィルター交換が床面でできるため、メンテナンスのしやすさも評価のポイント。
日常の使いやすさにも配慮したいという設計思想にマッチしています。

澄家は「床下給気」+「熱交換」機能を組み合わせた換気システムです。
熱交換率は90%以上(機種により異なる)で、室内から排出される空気の熱を利用し、新鮮な外気を室温に近づけてから室内に取り入れます。
また、ユニット本体が床下にあるため、フィルター交換などのメンテナンスがしやすく、脚立が不要という点も生活者にとっては扱いやすい特徴の一つです。

澄家(sumika)は以下のページでも詳しく紹介しています。
<参考ページ>「澄家」って一体どういうもの?

換気の性能を活かすには、家そのものの性能も大切

<当社施工事例>

第1種換気を取り入れる際に大切なのは、「気密性との相性」です。
せっかく高性能な換気システムを導入しても、住宅にすき間が多いと、想定どおりに換気が行われず、冷暖房効率が下がったり、換気の偏りが起きたりします。

そもそもC値ってなに?

C値とは、「住宅にどれくらいのすき間があるか」を表す数値で、「相当隙間面積(cm²/m²)」と表現されます。
数値が小さいほどすき間が少なく、気密性が高いことを意味します。
例えば、C値1.0というのは、住宅1㎡あたり1cm²のすき間があるということ。
高性能住宅ではC値0.5以下を目指すことが多く、0.3以下ならかなり優秀とされます。
手前味噌ですが、山中木材では全棟で気密測定を実施し、C値0.4以下(平均は0.25)という基準を設けています。
これは、計画換気の性能をしっかり発揮させるための土台といえます。

[元・大手HMの営業マン]藤井からのアドバイス②

換気設備のカタログスペックだけでなく、「住宅全体の性能バランス」を見ることも大切です。
高性能設備は、それを活かせる環境でこそ本領を発揮しますよ。

高気密住宅は、職人の施工品質がカギ


気密性は、どれだけ丁寧に施工されているかで大きく差が出ます。
現場での気密処理(すき間のふさぎ方や断熱材の入れ方)に甘さがあると、カタログ値は良くても、実際の性能はガクッと落ちてしまいます。
施工マニュアルや材料も大切ですが、それを扱う「人(職人)」の意識や技術が、気密性の成否を左右すると言っても過言ではありません。


【重要】
「自分の家」で気密測定をしてもらいましょう

一部の住宅会社では、C値をカタログやモデルハウスで公表していますが、「全棟で測定していない」ケースもあります。これは非常に注意が必要です。
同じ会社の家でも、現場によって気密性能に差が出ることがあるため、必ず「自分の家」で気密測定を実施してもらうことが大切です。
契約前に、「気密測定を実施するかどうか」「その結果を公開してもらえるか」は、確認してくださいね。

[元・大手HMの営業マン]藤井からのアドバイス③

気密測定をしないということは、品質の確認をしていないということ。
大切な住まいを預ける以上、“見える化”された安心感はとても重要ですよ。

よくある質問(FAQ)

※ここでは、この記事で紹介した「澄家(sumika)」に関する質問を中心にまとめています。

Q1. 澄家は寒冷地でも使用できますか?

→ はい。床下給気で足元から空気を取り入れるため、室温のムラが少なく、寒冷地でも快適に過ごせる設計になっています。

Q2. フィルターはどのくらいの頻度で交換すればいいですか?
→ 一般的には年に2回程度が目安ですが、住環境や使用状況により前後します。

Q3. 運転音は気になりますか?
→ 床下に設置されるため、設置環境が適切であれば運転音はほとんど気にならないレベルです。

Q4. 掃除やお手入れは大変ですか?
→ フィルター交換などは工具不要ででき、手が届きやすい位置にあるので比較的簡単です。

Q5. 初期費用はどのくらいですか?
→ 建物の広さやプランによって異なりますが、一般的には40万〜60万円程度が目安とされています。

 

まとめ

この記事では、第1種換気における3つの主な方式と、それぞれの特徴、さらに床下給気型である澄家の特徴について解説しました。
換気は目に見えにくい部分ですが、家の快適性や健康に直結する重要な要素です。
「設備の性能」だけでなく、「家の性能」との組み合わせで、どれだけ効果が発揮できるかが大きく左右されます。

換気について理解が深まると、家づくり全体の見方も変わってきます。
まずは基本を知り、納得した上で設備や仕様を選んでいくことが、後悔しない家づくりにつながります。
今回の記事が、これから家づくりを考える方の参考になれば幸いです。

 

この記事を書いた人

営業部 チーフ 藤井 駿

営業部 チーフ 藤井 駿

家づくりでのお悩みを一つ一つ丁寧に解決させて頂きます。山中木材で建てて良かったと思われるよう責任持ってご担当させて頂きます。

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