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注文住宅のための「土地探し」の方法とその最適解(注意点付き)

こんにちは。山中木材 新築部門の藤井です。
私はこれまで大手ハウスメーカーで10年間、営業として多くのお客様の家づくりに携わってきました。その中で強く感じたのが、「土地選びの失敗が家づくり全体を狂わせてしまうケースが本当に多い」ということです。
実は、多くの方が「家を建てる土地をどう選べばいいのか」わからないまま進んでしまい、結果として建てたい家が建てられなかったり、想定外の費用がかかったりして後悔されるんです。
私の実家は、一級建築士も在籍する地元密着の不動産会社を営んでおり、土地と建物を一体で考えるスタイルを昔から大切にしています。そんな環境で育った私にとって、「家づくりに土地の目利きは欠かせない」というのが当たり前でした。
せっかく注文住宅で理想の暮らしを描いていたのに、
- 建てたい間取りが入らない
- 地盤改良や造成費で予算オーバー
- 家の性能を落とすしかない
…そんな事態に陥るのは、土地選びの知識や段取りが不十分だったからです。
この記事では、こうした失敗を防ぐために「土地探しの方法」と「実践的な注意点」を、初心者の方にもわかりやすくお伝えしていきます。
目次
土地探しは「住宅会社選び」からはじまる
多くの人が「まずは土地を探してから住宅会社を決めよう」と考えがちですが、注文住宅の場合は逆の順序の方が安全です。
というのも、土地にはさまざまな制限(法規、インフラ、地盤など)があり、「そこにどんな家が建てられるのか?」が土地選びにおいて最も重要なポイントになるからです。それを判断できるのは、住宅会社や設計のプロの目線です。
次の「土地探しの4ステップ」は住宅会社を決められたという前提で解説させていただきますね。
[元・大手HMの営業マン]藤井からのアドバイス①
住宅会社が決まっていない状態で土地を購入すると、「建てたい家がその土地に収まらない」なんてことも。まずは、信頼できる会社に家のイメージや予算を相談しながら土地を探すのが、結果的にスムーズです。
土地探しの4ステップ|順番と準備がカギ
ステップ①:希望条件の整理
「どのエリアで暮らしたいか」「どれくらいの広さが欲しいか」「通勤・通学・実家との距離は?」など、ご家族での優先順位を整理しておきましょう。あわせて、「どんな家を建てたいか」もイメージしておくと、土地との整合性が見えやすくなります。
ステップ②:資金計画の準備
良い土地はすぐに買い手が決まってしまいます。その場で「買います」と即決できるよう、住宅ローンの事前審査や予算計画は先に済ませておくことが重要です。
土地にどこまで費用をかけられるのかを明確にしておかないと、後から建築費を削るしかなくなり、性能面での後悔につながる可能性もあります。
[元・大手HMの営業マン]藤井からのアドバイス②
土地・建物・諸費用を合わせた「総額」で予算を組むことが大切です。土地に予算を使いすぎてしまうと、断熱性能や耐震性といった住まいの基本品質に手が回らなくなりかねません。
ステップ③:土地情報の収集と見学
<当社施工事例>
希望条件と予算をもとに、不動産会社や住宅会社と連携して候補地を集めていきます。最近では、担当者とLINEグループを作って候補地情報を共有しながら効率的に動くケースも増えています。
候補が見つかったら、不動産会社の担当者と現地を一緒に見に行くのが基本。現地では、図面だけではわからない道路との高低差、近隣建物の影、騒音、匂いなどもチェックしましょう。
ステップ④:建築のプロによる現地確認
土地が気に入ったら、次は住宅会社側の担当者(営業・設計・工事)が現地に入り、建築に支障がないかを確認します。必要に応じて役所に出向いて、建築に関する制限やインフラ状況を調査。造成が必要な場合は費用の見積もりを出してくれるケースもあります。
手前味噌ですが、山中木材では、契約までに必要な工事費用も含めた見積もりを提出していますので、安心してご検討いただけます。
このようにして「この土地に家を建てて大丈夫か?」を建築サイドからしっかり確認しておくことが、トラブル回避につながりますよ。
よくある土地探しの失敗とその原因
- 予算オーバー:土地価格は予算内でも、造成費や地盤改良費で想定外の出費が発生
- 建築条件:建築条件付きの土地を選んだら、希望の間取りが叶わなかった
- インフラ未整備:水道・下水・ガスの整備が必要で、追加費用が発生
- 法規制の見落とし:高さ制限や建ぺい率などで理想の建物が建てられなかった
[元・大手HMの営業マン]藤井からのアドバイス③
必ず土地の契約前に、水道工事や高低差処理、地盤改良などにかかる費用の見積もりを確認してくださいね。
私はこれまで、契約後に追加工事が判明し、予算オーバーで悩まれる方を何人も見てきました。
特に多いのが、家の着工段階でようやく発覚するケース。そうなると計画の見直しが難しくなり、理想の家づくりに大きな影響が出てしまいます。
不動産会社は「土地のプロ」、住宅会社は「建物のプロ」。だからこそ、両方の視点で確認することが重要なんです。どちらかだけに頼ると、見落としが起きやすくなります。
工務店が言いにくい「土地の本音」
意外と知られていないのが、住宅会社や工務店が「お客様が見つけてきた土地のデメリットを指摘しにくい」という業界事情です。
なぜなら、「この土地はやめた方がいい」と言うことで、契約のタイミングが遅れたり、他社に流れてしまったりする可能性があるからです。ですが本来、土地は資産であり、将来の住み心地や資産価値にも直結するため、正直な評価が不可欠です。
中立的な立場での土地探しのすすめ
土地探しにおいて理想的なのは、住宅会社が不動産会社と連携しながらも、建て主の立場で判断してくれる体制です。
たとえば、以下のようなサポート体制があると安心です。
- 不動産会社の専属担当者を紹介してもらえる
- 希望条件をヒアリングしてもらえる
- 候補地を見学した後に、住宅会社側が建築の視点で現地をチェック
- 造成費・諸費用を含めた予算を事前に確認し、無理のない提案が受けられる
このように、土地・建物・予算を同時にバランスよく考えることが、失敗のない土地選びにつながります。
よくある質問(FAQ)
Q1. まだ住宅会社が決まっていない状態で土地を探すのはアリですか?
→ NGではありませんが、できれば先に家づくりの相談をしておく方が安全です。土地と建物のバランスを見てもらえるからです。
Q2. 土地の値段以外にどんな費用がかかりますか?
→ 造成費、上下水道の引き込み費、地盤改良費、登記費用、仲介手数料などがあります。
Q3. 建築条件付きの土地ってどうなの?
→ 販売側が指定する会社でしか建てられない土地です。安く見える場合もありますが、設計の自由度には制限があります。
ただし、交渉次第では建築条件を外してもらえるケースもあります。
※その場合、土地価格が上がることが多いため、建築会社や不動産会社と早めに相談しておくのがおすすめです。
Q4. 土地はすぐに決めた方がいいの?
→ 良い土地はすぐに売れてしまいます。そのためにも、事前に資金計画を済ませて「即決できる状態」にしておくのがベストです。
まとめ|土地探しは“段取りとバランス”がカギ!
- 家づくりは「住宅会社選び」から始めると、土地探しの失敗が防げる
- 資金計画は早めに。土地と建物の総予算を明確にしておく
- 良い土地は早い者勝ち。即決できる準備を整えておこう
- 土地の購入前には、建築のプロによる現地調査が安心
- 「土地だけの視点」ではなく、「建てたい家」から逆算した土地選びを
この記事が、みなさんの家づくりの第一歩に少しでも役立てば幸いです。無理なく、納得のいく土地と出会えますように。