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【外構計画】「目隠しフェンス」は危険?元・建材商社マンが教える、泥棒に好かれる家・嫌われる家の境界線
目次
はじめに
こんにちは。元・建築資材の商社マン、井上です。
2月も半ばを過ぎ、春からの新生活に向けて「外構(庭や駐車場)」の計画を詰めている方も多いのではないでしょうか。家づくりにおいて、外構は家の「顔」であると同時に、家族の安全を守る「砦」でもあります。
多くの方が「プライバシーを守りたい」「おしゃれにしたい」と考えるあまり、知らず知らずのうちに「防犯面で非常に危険な家」を作ってしまうケースも少なくありません。そこで今回は、一見良さそうに見えても、実は泥棒が泣いて喜ぶようなNG設備と、それを回避するための具体的な対策についてお話しします。
今回は、私が18年間にわたり、住宅関連の建築資材の商社マンとして営業してきた経験をもとに、「これは選んで正解!」「今の暮らしに本当に役立つ!」と感じる“アイデア”をお届けします。
また、私の実家はタイル工事と建材販売を手がける老舗の家業を営んでおり、子どもの頃から現場の空気を感じて育ってきました。今は住宅会社の営業という立場ですが、単なるカタログ知識ではなく、実体験やお客様から聞いてきた“本音”を大切にしています。
カタログには載っていない、現場だからこそ分かる「泥棒に嫌われる家づくり」の極意、ぜひ最後までお付き合いください。
泥棒の心理を知れば、守るべき場所が見えてくる
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まず大前提として、泥棒が何を考えているかを知っておく必要があります。彼らが嫌がるのは「誰かに見られること」「侵入に時間がかかること」、そして「生活感から金目のものがないと悟られること」です。
逆に言えば、一度敷地に入ってしまえば誰からも見られず、短時間で音もなく侵入できる家は、格好のターゲットになってしまいます。では、具体的にどのような家が狙われやすいのか、どう対策すればよいのかを見ていきます。
「高い塀」や「目隠しフェンス」は最強の隠れ蓑?

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プライバシー確保のために、家の周りを高いブロック塀や隙間のない目隠しフェンスで囲う「クローズ外構」。一見、頑丈で防犯性が高そうに見えますが、実は泥棒にとっては好都合な物件になり得ます。
なぜなら、一度その塀を乗り越えて敷地内に入ってしまえば、外からの視線が完全に遮断されるからです。つまり、高い塀は泥棒にとって、安心してピッキング作業や窓ガラス破りができる「安全な作業場」を提供しているようなものです。
防犯の基本は、街路や近隣からの視線を通す「オープン外構」にすることです。「外から丸見えなんて恥ずかしい」と思われるかもしれませんが、最近の住宅で標準的に使われている「Low-Eペアガラス」などは、日中、外から見ると鏡のように反射して中はほとんど見えません。さらにレースのカーテンを一枚引くだけで、プライバシーは十分に守れます。
それでも「通りからの視線がどうしても気になる」という場合は、完全に視線を遮るフェンスではなく、斜めから見た時だけ目隠しになる格子状のフェンスや、足元が空いているデザインを選んでください。あくまで「人の気配」が外から分かる状態にしておくことが、最大の防御になります。
[元・建築資材の商社マン]井上からのアドバイス①
商社マン時代、多くのフェンスを扱ってきましたが、防犯とプライバシーのバランスが良いのは「縦格子(たてごうし)」のデザインです。横ラインのフェンスは泥棒が足をかけてよじ登る「はしご」代わりになりやすいというデメリットがあります。一方、縦格子は足がかけにくく、見る角度によって目隠し効果も発揮するのでおすすめです。
「暗がり」を作る家は狙われる
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次に注意したいのが照明計画です。夜、玄関周りや勝手口、駐車場の奥が真っ暗になっていませんか?暗がりは泥棒にとって隠れるための最適な場所です。
ここで活躍するのが「人感センサー付きライト」です。人が近づくとパッと明るくなるライトは、隠れたい泥棒が最も嫌がる設備の一つです。玄関ポーチだけでなく、勝手口や家の裏手の通路、駐車場など、死角になりやすい場所に設置してください。
「電気代がもったいない」「チカチカして近所迷惑では?」と心配される方もいますが、最近のLEDライトは電気代も微々たるものですし、必要な時だけ点灯するので迷惑にはなりません。むしろ、誰かが敷地に入ったら光ることで、近所の目線を集める効果があります。数千円から数万円の投資で、数十万円の防犯カメラに匹敵する効果が期待できるので、ケチらず採用してほしいポイントです。
[元・建築資材の商社マン]井上からのアドバイス②
<当社施工事例>
センサーライトは、ホームセンターで買ってきて後付けすることもできますが、コンセントが近くにないと配線がむき出しになり、断線されたり見た目が悪くなったりします。新築の計画段階で「建物の四隅」や「窓の近く」にあらかじめ外部電源や照明用の配線を仕込んでおくのがプロの鉄則です。配線さえあれば、後から好みのライトをすっきり取り付けることができますよ。
「勝手口」は本当に必要ですか?
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昔の家には必ずと言っていいほどあったキッチンの勝手口。ゴミ出しには便利ですが、実はここが防犯上の大きな弱点になります。
勝手口は家の裏手や側面の目立たない場所に設置されることが多く、泥棒にとって絶好の侵入ルートです。しかも、玄関ドアに比べて簡易的な鍵しかついていないケースも少なくありません。「ゴミを外に置きたいから」という理由だけで設置を検討されているなら、一度立ち止まって考えてみてください。
また、最近の家は24時間換気システムが優秀なので、生ゴミを室内(密閉したゴミ箱)に置いていても、昔ほど臭いが充満することはありません。どうしても設置したい場合は、防犯フィルムが挟み込まれた「防犯合わせガラス」を採用し、鍵も2ロックにするなど、玄関と同等の防犯性能を持たせる必要があります。ただ、コストも10万円以上かかりますので、本当に必要かどうか、生活スタイルに合わせて慎重に検討してください。
[元・建築資材の商社マン]井上からのアドバイス③
もし勝手口や1階の窓ガラスを防犯仕様にするなら、必ず「CPマーク」のシールが貼られた製品を選んでください。これは警察庁や建材メーカーなどが定めた厳しい基準をクリアした「防犯建物部品」の証です。「泥棒が侵入をあきらめるまでの時間(約5分)」を稼ぐ性能が証明されています。このシールがあるだけで、プロの泥棒は「この家は手強い」と判断して避ける傾向にあります。
「窓」と「鍵」の油断が命取り
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驚かれるかもしれませんが、空き巣被害の半数以上は、ガラス破りやピッキングではなく、「無施錠(鍵のかけ忘れ)」の窓や玄関から侵入されています。
「ちょっと近くのコンビニまで」「ゴミ出しの間だけ」という数分の隙や、在宅中に換気のために開けていた窓から、鉢合わせで強盗に入られるケースもあります。どんなに高価な防犯設備を入れても、鍵が開いていたら意味がありません。
ここでの対策は「そもそも開けっ放しにしない環境を作る」ことです。
最近の高性能な住宅は、窓を開けなくても快適な室温・空気を保てるように設計されています。換気がしたい場合でも、人が通れない幅の「縦すべり出し窓(細長い窓)」や、高い位置にある「高所用窓」を採用すれば、ロックをしたまま換気状態にできるなど、侵入不可能な状態で風を通すことができます。人が通れるサイズの引き違い窓は必要最小限にし、それ以外は「防犯も兼ねた窓選び」を意識してみてください。
[元・建築資材の商社マン]井上からのアドバイス④
<当社施工事例>
玄関ドアの鍵に関しては、迷わず「電子錠(スマートキー)」を採用してください。車のキーのように、持っているだけでボタンを押せば開錠、離れると自動施錠する機能がついたものです。
荷物で手がふさがっている時に便利なのはもちろんですが、「オートロック機能」を設定しておけば、鍵の閉め忘れを物理的に防げます。「あ、鍵閉めたっけ?」という外出先での不安から解放されるのは、精神衛生上も素晴らしいメリットです。
よくある質問(FAQ)

Q1. オープン外構にすると、家の中が丸見えにならないか心配です。
→ A. まずは安心してください。先ほどもお伝えした通り、窓ガラスの性能向上で日中は中が見えにくくなっています。また、道路とリビングの間に低い植栽やポールを立てるだけでも、視覚的なワンクッションとなり、心理的な距離感を保てます。すべてを壁で囲うのではなく、「視線を逸らす」工夫をプランナーもしくは設計士に相談してみてください。
Q2. 庭に砂利を敷くと防犯になると聞きますが、歩きにくくないですか?
→ A. 踏むと大きな音が鳴る「防犯砂利」は非常に効果的です。ただ、おっしゃる通り粒が大きく軽いため、毎日通るアプローチや駐車場に敷くと歩きにくく、散らばりやすいです。人が普段通らない「家の裏手」や「窓の下」など、泥棒が侵入しそうな場所に限定して敷くのが賢い使い方です。
Q3. ホームセキュリティ(警備会社)には入ったほうがいいですか?
→ A. 予算に余裕があれば安心ですが、まずは「狙われない家」自体の性能を上げることが先決です。泥棒は警備会社のステッカーよりも「入りやすそうか」「隠れ場所があるか」を見ています。センサーライトや防犯ガラス、しっかりした窓の施錠といった基本対策を徹底した上で、プラスアルファの安心として検討されるのが良いですよ。
まとめ
<当社施工事例>
写真の施工事例ページはこちら
【奈良県奈良市】住宅密集地でも開放的で機能面も充実のお家【写真21枚】
防犯対策というと、「何か特別な機械をつけなきゃ」と思いがちですが、実は「泥棒に隠れ場所を与えない(オープン外構・照明)」「侵入に時間をかけさせる(窓選び・CPマーク)」という基本的な家づくりの工夫で、リスクの大部分は回避できます。
「高い塀で囲うこと」よりも「ご近所さんと挨拶できる関係を作ること」の方が、実は最強のセキュリティシステムだったりします。泥棒は、地域の目が光っている街を嫌うからです。
これから新築を建てる皆さんは、カタログのスペックだけでなく、「泥棒の視点」に立って図面を見てみてください。「ここ、隠れられそうだな」と思う場所があれば、そこにはライトを一つ足す。そんな小さな気づきの積み重ねが、家族の安全で楽しい毎日を守ってくれます。
「自分たちだけで判断するのは難しい」と感じたら、ぜひ私たちのような専門家に相談してください。プロの経験と元・商社マンとしての知識をフル活用して、あなたの家づくりをサポートします。
