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資金計画

これだけは抑えて!老後のメンテナンスコストで後悔しない家づくり5選

はじめに

家づくりを始めると、InstagramやYouTubeで素敵なルームツアー動画に見入ってしまいませんか?
「屋上でBBQができるルーフバルコニー」「ホテルみたいな全館空調」「広々とした吹き抜けリビング」…。

画面の中に広がるキラキラした生活を見ていると、「せっかくの注文住宅なんだから、全部叶えたい!」とテンションが上がってしまう気持ち、痛いほどよくわかります。

実は、建てた時は「これ最高!」と思っていても、年金生活になる頃に「なんでこんな金食い虫な設備を入れちゃったんだろう」「掃除が大変すぎて2階に行かなくなった」と後悔するケースが、本当に多いんです。

今回は、元大手ハウスメーカーの営業マンとして10年間、現場を見てきた私、藤井が、営業トークでは語られない「老後に後悔する設備・間取り」の裏側と、本当に長く愛せる家の作り方を解説します。

この記事を書いた人:元・大手HMの営業マン藤井

これまでも「メンテナンス費が払えない」「広すぎて管理できない」と嘆く人の声もたくさん聞いてきました。私の実家は一級建築士も所属する不動産会社。そこでは「売ること」よりも「長く住めること」を重視する職人肌のプロたちがいました。その原体験から、今回は会社の売上目標などは一切抜きにして、皆様の将来の資産を守るための本音をお話しします。

[1]「ルーフバルコニー」と「広すぎる家」が招くメンテナンスの闇

まずは、間取りの話から。SNSでよく見る「屋上庭園」や「ルーフバルコニー」。憧れますよね。
でも、冷静に考えてみてください。年を取ると、2階に上がるのでさえ億劫になるのに、さらにその上の屋上までは中々上がりません。
(もちろん、趣味など明確など目的がある場合は除きます。)

実際、新築ハイが落ち着く10年後には、ほとんど使われない「開かずの屋上」になっていることが大半です。しかも怖いのが雨漏りリスク。屋上は常に雨風にさらされるため、防水メンテナンスをサボると、家全体の寿命を縮める原因になります。使わない場所のために、高額な防水工事費を払い続ける…これほど悲しいことはありません。

そして「広すぎる家」も要注意です。「子供部屋もしっかり作って、収納もたっぷりで!」と床面積を広げがちですが、子供が巣立った後の夫婦二人暮らしには、広すぎる家は掃除の手間と固定資産税の無駄遣いになりかねません。

[元・大手HMの営業マン]藤井からのアドバイス①

「大は小を兼ねる」と言いますが、老後に関しては「大は負担になる」が正解です。
おすすめは、生活のすべてが1階で完結する「1階完結型」の間取り。延床30坪前後のコンパクトな家なら、掃除も楽で、冷暖房効率も良く、将来のリフォーム費用も抑えられます。
「家を小さく建てて、浮いたお金で老後を楽しむ」。これが賢い選択です。

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[2]「全館空調」が壊れた時の見積もりに震えないための現実的な選択


「家中どこでも快適!」という全館空調。ヒートショックの心配もなく、ホテルのような快適さは非常に魅力的です。私もその「快適さ」自体は否定しません。むしろ、健康寿命を延ばすために目指すべき環境だとも言えます。

しかし、ここで注意が必要なのは、「どのようなシステムで全館空調を実現するか」です。
ハウスメーカーが提案する多くの全館空調は、天井裏や床下に特殊な大型機械を設置し、そこから家中に長いダクト(空気の管)を這わせる「集中管理型」のシステムです。

このシステム、確かに快適ですが、「機械はいずれ壊れる」という事実を忘れてはいけません。専用の大型機械が15年〜20年後に寿命を迎えた時、交換費用は数百万円にのぼることもあります。また、メーカー独自の部品が必要なため、真夏に故障しても修理まで数週間待たされるリスクもあります。

さらに、ダクトのメンテナンスも重要です。「絶対に掃除できない」わけではありませんが、専門業者による定期的なクリーニングが必要になり、その維持費も老後の家計を圧迫する要因になり得ます。

[元・大手HMの営業マン]藤井からのアドバイス②

私がおすすめするのは、「汎用品のエアコンで全館空調する」という考え方です。
家の「断熱・気密性能」をしっかり高めれば、特殊な機械を使わなくても、普通の壁掛けエアコン1台〜2台で家中の温度を均一にすることは十分可能です。
これなら、万が一エアコンが壊れても、近所の家電量販店ですぐに買い替えられますし、費用も数万円〜十数万円で済みますよね。
目指すべきは「全館空調という『高額な商品』を買うこと」ではなく、「家全体が快適な温度になる『状態』を作ること」。この違いが、老後の安心感に直結します。

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[3]「新築時にしかできない」最強のシロアリ対策

家の寿命を左右する「シロアリ対策」。ここにも大きな誤解があります。

多くのハウスメーカーで行われる一般的な防蟻処理(薬剤散布)の効果は、実は「たった5年」しか続きません。つまり、引き渡しから5年後には、再び業者を呼んで、数十万円かけて薬剤を撒き直さなければならないのです。これを老後もずっと繰り返すのって、費用的にも精神的にも大変だと思いませんか?

そこで、私がプロとしておすすめしたいのが、薬剤を木に染み込ませる方法ではなく、「そもそもシロアリを家に入れない」という物理的な対策です。具体的には、「防蟻防湿シート(ぼうぎぼうしつシート)」という特殊なシートを、基礎の下(地面全体)に敷き込む方法です。

このシート、ただのビニールではありません。シロアリが嫌がる成分(ピレスロイド系など)が含まれていて、厚みもしっかりある(0.18mm以上が目安)ものを使えば、地面からのシロアリの侵入をシャットアウトできます。薬剤散布のように揮発して効果がなくなる心配が少なく、一度敷けば長期間にわたって家を守り続けてくれます。

[元・大手HMの営業マン]藤井からのアドバイス③

この「防蟻防湿シート」、家が建ってからでは絶対に施工できません
基礎を作る前の、更地の状態でしか敷くことができないんです。「知らなかった!」と後悔しても、もう床下を掘り返すことはできません。
営業マンに「うちは標準で薬剤散布しますから安心ですよ」と言われても、「いや、薬剤じゃなくてシートで物理的に防ぎたいんです」と切り出してみてください。その一言が、30年後の家の運命を変えますよ。

[4]「安物」の太陽光パネルは将来の粗大ゴミ?

太陽光パネルにも大きな落とし穴があります。「パネルなんてどれも一緒でしょ?安いのでいいや」と思っていませんか?

実は、一般的な安価なソーラーパネルの寿命は、意外と短い場合があります。
多くのパネルがクリアしている一般的な試験基準(IEC規格など)は、実は「10年〜15年程度」の使用を想定したレベルに過ぎないことが多いのです。

もし、安さだけで選んだパネルが15年後に故障したらどうなるでしょう?
発電しなくなったパネルは、ただの「屋根に乗った巨大なゴミ」です。撤去や交換をするには、再び足場を組む必要があり、その費用は数十万円にのぼります。「電気代がお得になるはずが、交換費用で赤字になった」なんて笑えませんよね。

[元・大手HMの営業マン]藤井からのアドバイス④

太陽光パネルを選ぶときは、「カタログの出力性能」よりも「耐久試験のデータ」を見てください。
おすすめなのは、一般的な基準(例えば高温高湿試験1000時間など)をはるかに超える、「3倍以上の過酷な耐久テスト」をクリアしている製品や、設計寿命が30年〜40年と言われる高性能なパネル(マキシオンなど)です。
初期費用は少し高くなりますが、30年間メンテナンスフリーで発電し続けてくれるなら、将来の交換コストがかからない分、結果的に一番安上がりになります。老後に屋根の心配をしなくて済む、これこそが本当の安心です。

[5]数百万円のリフォーム代が消える?「床暖房」

床暖房は、床の下に専用のパネルや配管が埋め込まれているシステムです。どんなに高価な設備であっても、機械である以上はいずれ必ず故障する日がやってきます 。

そして厄介なのは、いざ壊れた時に簡単に修理ができないシステムが存在することです。最悪の場合、故障を直すためだけにリビングの床材をすべて引っ剥がすような、大規模なリフォーム工事が必要になってしまいます 。

老後の年金生活で、床を張り替えるための数百万円をポンと出すことは簡単ではありません。結局、高額な修理を諦めて放置し、機能しなくなった床暖房の上に電気カーペットやこたつを置いて冬をしのぐ…なんて本末転倒なケースが後を絶たないのです。

[元・大手HMの営業マン]藤井からのアドバイス⑤

高額で修理リスクの高い床暖房システムを入れなくても、足元が冷えない家は作れます。
全館空調の箇所でも触れましたが、まずは家の「断熱性能」と「気密性能」を徹底的に高めること。そして、床の素材にスギやパインなどの「無垢材(柔らかい針葉樹)」を選ぶのがプロの裏技です。
柔らかい無垢の木には空気の層がたくさん含まれているため、冬場に素足で歩いても、フローリング特有のあの「ヒヤッ」とする冷たさがありません 。機械による人工的な暖かさはいずれ壊れてしまいますが 、家の性能と自然素材がもたらす温もりは、一生あなたを裏切りませんよ。

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よくある質問(FAQ)


Q1. 1階だけで生活できるようにすると、建築費が高くなりませんか?
→ 確かに坪単価は上がりますが、トータルコストで考えてください。
1階を広くすると基礎や屋根の面積が増えるので、建築費は少し割高になります。でも、将来使わなくなる2階の部屋を減らしたり、廊下をなくしたりすれば総額は抑えられます。何より、将来階段が使えなくなってリフォームや住み替えをする費用を考えれば、最初から「平屋的な暮らし」ができる家にしておく方が、結果的に安上がりです。

Q2. 高性能な太陽光パネルやシロアリシートを入れると、予算オーバーしませんか?
→ 初期費用は少し上がりますが、安いパネルを選んで15年後に100万円かけて交換したり、5年ごとにシロアリ駆除費を払ったりする「ランニングコスト」を計算に入れれば、最初にお金をかける方がトータルでは安くなります。

まとめ

<当社施工事例>

今回は、あえて厳しい視点で「老後に後悔する設備・間取り」についてお話しさせていただきました。

家づくりにおいて「夢」を詰め込むのは楽しいですが、その家は30年後、40年後もあなたを守ってくれる場所でなければなりません。

営業マンに「最新設備ですよ!」「今ならキャンペーンで!」と勧められた時こそ、一度立ち止まって「これを30年後に修理・交換する時、いくらかかるんだろう?」「70歳の自分にこの掃除ができるかな?」と想像してみてください。

もし判断に迷ったら、私たちのような専門家にセカンドオピニオンを求めてみてください。「売るため」ではなく「住むため」の視点で、正直にお答えします。

皆さんが一時の流行に流されず、一生愛せるマイホームを手に入れられることを、心から応援しています。

この記事を書いた人

営業部 チーフ 藤井 駿

営業部 チーフ 藤井 駿

家づくりでのお悩みを一つ一つ丁寧に解決させて頂きます。山中木材で建てて良かったと思われるよう責任持ってご担当させて頂きます。

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