ブログBLOG

断熱

「高断熱の家=夏も涼しい」は大きな勘違い?新築で失敗しないための3つの絶対条件

高断熱住宅なのに、なぜ「夏」暑くなってしまうのか

※イメージ

こんにちは、元・大手ハウスメーカーの営業マン藤井です。
最近は高断熱をアピールする家が増えましたが、実はそれだけで夏涼しくなるわけではありません。大切なポイントを押さえておかないと、せっかくのマイホームが夏場はサウナのようになってしまう危険性があります。この記事ではその理由と対策を解説します。

この記事を書いた人:元・大手HMの営業マン藤井

私は過去に大手ハウスメーカーで10年間、営業担当として働いていました。そこで痛感したのは、家づくりにおいて「施主側に知識がないと大きく損をしてしまう」という厳しい現実です。現在は、そういった知識不足による失敗を防ぎたいという思いで情報発信を行っています。実家が一級建築士も所属する不動産会社ということもあり、注文住宅をよく知る専門家集団として土地探しから寄り添う環境で育ちました。その知識と経験を活かして、大切な家族や友人に伝えるような気持ちで、住まいづくりのヒントを具体的に伝えていきます。

①夏を涼しくする絶対条件は「太陽の熱を家に入れないこと」

軒ゼロの家 ※イメージ

高断熱の家というのは、例えるなら魔法瓶のようなものです。冬は中の熱を逃がさず暖かいのですが、夏に一度熱を取り込んでしまうと、今度はその熱を外に逃がさず、いつまでも部屋の中が暑いままになってしまいます。そのため、夏を涼しく過ごすための第一歩は、日射を遮蔽し、そもそも家の中に太陽の熱を入れない工夫をすることです。

特に南側の窓には、しっかりと「ひさし」を設けることが重要であり、デザイン重視でひさしを全く設けない「軒ゼロ(のきぜろ)」の家は、夏の暑さ対策という点でもNGです。ひさしがあるだけで、夏の高い位置から照りつける直射日光を物理的にカットできます。また、西日や朝日の影響を強く受ける東西の窓は、設計の段階でできるだけ小さくするか、思い切って窓をなくす選択も必要になります。

ひさしに加えて、窓ガラス自体の性能も非常に重要です。温暖な地域であっても、熱を伝えにくい「オール樹脂サッシ」に、「Low-Eペアガラス」を採用し、ガラスの間に断熱効果を高める「アルゴンガス」が入っているものを最低基準として選んでください。もし寒冷地に建てるのであれば、これに加えてさらに断熱性の高い「トリプルガラス」を検討する必要があります。太陽の熱は、室内側のカーテンで防ぐよりも、家の外側や窓そのもので防ぐ方が圧倒的に効果が高いのです。

藤井からのアドバイス①

図面や仕様を見る時は、軒ゼロになっていないか、ひさしの長さが十分かを確認してください。そして窓の仕様書に「オール樹脂」「Low-E」「アルゴンガス」の記載があるかを必ずチェックしましょう。ここを妥協すると夏の快適さが大きく損なわれます。

②断熱性能と気密性はセットで考え、隙間からの熱風を防ぐ

※イメージ

いくら壁の断熱材を分厚くしても、家に隙間が開いていれば意味がありません。真冬に分厚いダウンジャケットを着ていても、前のファスナーを全開にしていれば冷たい風が入ってきて寒いのと同じです。夏の家もこれと同じで、家に隙間があると、外の熱風やジメジメとした湿気がどんどん室内に入ってきてしまいます。湿気が入るとエアコンでいくら除湿しても追いつかず、設定温度を下げても体感的には蒸し暑いままになってしまいます。

まず断熱性能の基準として、最低でも「断熱等級5」、数値で表す「UA値(外皮平均熱貫流率)」は0.6以下を必ずクリアするようにしてください。寒冷地にお住まいであればさらに基準を上げ、UA値0.4から0.35前後を目指すのが理想的です。

気密測定 ※イメージ

そして、この高い断熱性能を無駄にしないために必要なのが、家の隙間をなくす「気密性」です。気密性は「C値」という数値で表され、数値が小さいほど隙間がないことを意味します。目標としてはC値0.7以下、できれば0.4以下を目指してください。ここで最も重要なのは、カタログに載っている目安の数値ではなく、大工さんが施工している最中に「実際にあなたが建てるその家」で専用の機械を使って気密測定を実施してもらうことです。これで初めて、あなたの家が本当に隙間のない家であることが証明されます。

藤井からのアドバイス②

家づくりを依頼する際は、「断熱等級5以上ですか?」「私が建てる実際の家で、建築中に気密測定をしてくれますか?」と必ず質問してみてください。ここで言葉を濁す会社は、施工の精度に自信がない可能性があるため注意が必要です。

③屋根の断熱強化と、家全体の空気を回す2階の空調計画

※イメージ

夏の太陽は真上から容赦なく照りつけます。そのため、壁と同じ厚さの断熱材では上からの熱を防ぎきれず、屋根裏に溜まった強烈な熱がじわじわと2階の部屋に降りてきてしまいます。これを防ぐためには、屋根や天井には必ず「壁の2倍の性能(厚さ)」を持つ断熱材を施工する対策が必須となります。

さらに、冷たい空気は下に沈み、暖かい空気は上に昇る性質があるため、2階はどうしても暑くなりがちです。日中、2階の部屋を使っていないからといってエアコンを消し、ドアを閉め切っておくと、部屋中の壁や家具が熱を持ちます。その結果、夜になってエアコンをつけても、壁やベッドから熱が放出される「輻射熱(ふくしゃねつ)」のせいで、なかなか寝付けないほど寝苦しくなってしまいます。

これを防ぐためには、家全体の空気を循環させる空調計画を立て、日中も2階のエアコンを稼働させて建物を冷やしておく運用が効果的です。電気代はかかりますが、高断熱で隙間のない家なら驚くほど安く済みます。

藤井からのアドバイス③

図面ができたら「屋根の断熱材は、壁の2倍入っていますか?」と確認してください。そして、日中も2階のエアコンをつけて家全体を冷やしておくことを前提とした空調計画を、設計担当者と一緒に練り上げましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. ひさしをつけると、冬の家の中が寒く暗くなりませんか?
→ その心配はいりません。太陽の高さは季節によって変わります。夏の太陽は高い位置にあるためひさしで日差しを遮れますが、冬の太陽は低い位置にあるため、ひさしがあっても暖かい光が部屋の奥までしっかりと差し込むように計算して設計されます。

Q2. デザインが好きで軒ゼロの家を建てたいのですが、どうにかなりませんか?
→ どうしても軒ゼロにしたい場合は、窓の外側にアウターシェード(外付けの日よけ)を設置したり、太陽光が直接入りにくい間取りにしたりと、別の方法で徹底的に日射を遮る工夫が必要です。ただし、外壁の劣化を防ぐ意味でも、少しでも軒を出すことをおすすめしています。

Q3. 気密性を高くして隙間をなくすと、息苦しくなったり換気ができなくなったりしませんか?
→ 実は逆です。隙間だらけの家は、意図しない場所から空気が漏れるため、換気扇が正常に働きません。気密性を極限まで高めて隙間をなくすことで、ストローで吸うように初めて計画通りの経路で新鮮な空気を入れ替えることができ、常に空気がきれいな状態を保てます。

Q4. エアコンを日中もつけっぱなしにするなんて、電気代が高額になりそうで怖いです。
→ 昔の家であればその通りですが、高断熱で隙間のない家であれば、一度冷やした空気が外に逃げません。エアコンが一番電力を消費するのは「熱い部屋を急激に冷やす時」なので、一定の温度を保ち続ける連続運転の方が、結果的に電気代が安く抑えられることが多いのです。

まとめ

<当社施工事例>

「高断熱の家を建てれば自動的に夏も涼しくなる」というわけではない理由がお分かりいただけたかと思います。一度取り込んだ熱を逃がさない家だからこそ、「ひさしや窓で太陽の熱を入れない設計」「実際の家での気密測定」「屋根の断熱強化と家全体の空調計画」の3つが絶対条件となります。

家づくりは、人生で最も大きなプロジェクトのひとつです。デザインや価格だけでなく、見えない部分の性能や設計の意図をしっかり理解しておくことが、後悔しないための最大の防衛策になります。ぜひ今回の知識を、今後の家づくりのパートナー選びや打ち合わせに役立ててくださいね。

少し手前味噌になってしまいますが、私たち山中木材では、今回ご紹介した「日射遮蔽の工夫」「全棟での気密測定」「屋根断熱の強化」といった要素を、オプションではなくすべて「標準仕様」として家づくりを行っています。もし、性能面で妥協しない快適な家づくりにご興味があれば、いつでもお気軽にご相談ください。あなたが心から満足できるマイホームを建てられることを、心から応援しています。

この記事を書いた人

営業部 チーフ 藤井 駿

営業部 チーフ 藤井 駿

家づくりでのお悩みを一つ一つ丁寧に解決させて頂きます。山中木材で建てて良かったと思われるよう責任持ってご担当させて頂きます。

ブログ一覧

CONTACT お問い合わせ

些細だと思われることでも、
お気軽にお問い合わせください。

TEL.0743-78-1754 電話受付時間:9:00~18:00

※日曜日はお休みの社員が多く、つながりにくい場合があるかもしれません。申し訳ございません。ご質問は以下の「お問い合わせフォーム」でも受け付けておりますので、こちらもぜひご利用ください。

お問い合わせフォーム

※勝手ながら、事務所へご訪問いただく際は必ずご予約をお願いしております。
※当社では施工事例集などのカタログを作成しておりません。資料をご請求いただいてもお送りするものがございませんのでご了承くださいませ。詳しくは「良い家を安く建てるための取り組み」をご覧ください。